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絵と意匠

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I makin' rough !

2018年8月の記事

イタリア語のことわざ、慣用句小図鑑

グループ展CRAWL VOL.16「図鑑」に、DM原画と「イタリア語のことわざ、慣用句小図鑑 」を7点出品しました。 展示会場に掲示したキャプションと合わせてご紹介します。 Fidarsi è bene, non fidarsi è meglio. Fidarsi è bene, non fidarsi è meglio. 意味:信じるのはよいこと、信じないのはもっとよいこと
明るく陽気なイメージからは意外に思われるかもしれませんが、イタリアの人たちの冷静な物の見方を感じさせることわざだと思います。 話は少しそれますが、イタリア語にはfurbo(フルボ)という形容詞があります。辞書には「抜け目ない、ずる賢い」という意味が最初に書かれていますが、悪いだけの意味ではなく「賢い」「目端が利く」など肯定的な意味で使われることもあります。 このことわざに話を戻しますと、人でも物でも思想でも、対象を盲目的に信じるのはとても危険な事です。 しかし全てを委ねてしまえば、判断を任せる楽さや、一体感から高揚感を感じるなど、快感も多くあるのだろうと思います。 いつの間にか流されて、気づかないうちにそういう状態に陥ってしまうことはないと言い切る自信は私にはありません。 それでも、いきなり独立独歩の賢人になるのは難しいとしても、できるかぎりfurboに生きていけたらと思います。 Chi trova un amico trova un tesoro. Chi trova un amico trova un tesoro. 意味:友だちを見つけた人は宝物を見つけたのと同然
「信じるのはよいこと、信じないのはもっとよいこと」…とはいうものの、やっぱり人生それだけではありません。 あたたかくてシンプルで、とてもすてきなことわざです。 Finché c'è vita c'è speranza. Finché c’è vita c’è speranza. 意味:生きている限り、望みあり
説明は不要のことわざです。 Meglio tardi che mai. 意味:遅くともしないよりまし
Meglio poco che niente(ちょっとでもないよりまし)とあわせて、生活、制作における我がモットーであります。 この言葉から思い出す思い出話をひとつさせてください。去年休暇で行ったローマでバスと地下鉄のストライキがありました。 当日に決行を知ったので、一時間以上走ってイタリア語学校に行かなくてはならなくなってだいぶ焦りましたし、放課後に重い荷物を持って徒歩のみで市内を観光するのは大変でした(ローマは丘の街なので坂だらけなんです…)が、行使できる権利のひとつとして平然とストライキを受け入れている街を見ることができたのは、とてもよい経験でした。 ローマの先生に聞いた話によると、「8時から5時までがストライキで、その間地下鉄はすべて運休になるものの、バスは動かしたい運転手は動かしてもいい事になっていて(地下鉄と違って一人でも動かせるから)、ストライキの間でも時々来るよ」とのことでした。 3時まで粘って観光したものの、さすがに疲れて諦めてバスを待つことにしました。待つ間、あまりにこのふたつのことわざ通りのシチュエーションなので、いかにもへっぽこ道中だなぁとしみじみおかしく感じました。一時間以上待って満員のバスが来た時はとても嬉しかったです。 Essere buono come il pane Essere buono come il pane 意味:根っからの善人、心底温和な
直訳は「パンのようによい」、本当にとてもいい人を表現する時に使う慣用句です。 この言葉を知った時、「炊きたてのごはん」を連想しました。 あたたかくて、やわらかくて、豊かで、おいしい。 イタリア語のpaneには様々な意味があるので、勝手にごはんに置き換えた理解は浅薄でよくないと思うのですが、この言葉を目にするたびに、つい炊飯器を開けて湯気と香りの立つところを想像してしまい、あぁ、もうそれは本当に善い人だろうなぁと思ってしまいます。 In bocca al lupo! In bocca al lupo! 意味:幸運を祈るよ!がんばって!
これはことわざではなく、なにかに挑む人に対してかける言葉です。 直訳は「狼の口の中へ!」。言われた人は「Crepi ( il lupo ) !(くたばれ(狼)!)」と応じます。 大きな仕事の前や、イタリアにひとりで行く前などに先生がこう言って励ましてくれるので、その度に元気よく「狼くたばれ!」と答えては、不思議なやり取りだなぁと思っているのですが、どんな困難にぶち当たってもなにがなんでもやり遂げて生還してやるぜ!と気合いも入るので好きな言葉です。 Il diavolo non è così brutto come lo si dipinge. Il diavolo non è così brutto come lo si dipinge. 意味:心配事も実際は思っている程ひどくはない
直訳は「悪魔は、描かれているほど醜くはない」なので、描かれている美形の悪魔を描きました。 心配性よけのお守りとしてこのことわざを会社のデスクに貼っています。
このシリーズは線画を描いてからPhotoshopで着色しています。 DM原画はペンとカラーインクでしっかり描いたので、逆に制作時間をできるだけ短縮することを目的にしました。 私の趣味のひとつがイタリア語の学習なのですが、その学習を通して知ったおもしろいことわざや言い回しをテーマに、直訳したシチュエーションをそのまま描いたり、ことわざから思いついたシーンを絵にしたりしています。一応ラフの時点でイタリア人の先生のチェックを受けています。 思いついたのを少し捏ねただけで描いているので、打率があまり高くないというのが課題ですが、これも数を重ねて確度を上げるしかありません。 9785、9784、9783、9782、9781、9780、9779

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