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絵と意匠

2023年12月のらくがき

三ヶ月ほど机の上にあって、時々手を入れていた人です。
これはふたつめで、最初の一つは去年のこの人↓

文字通り絵が立ち上がるのがなんだか楽しい。
本に挟むと栞になるし、彼らが文字の中を旅しているようにも見える。

最初はただのペンの試し描きだったのが、人の形をとるようになりました。
またこういうこと以外に使いようがない半端な紙がたくさんあるのです。


制作に使う紙はロールで買っています。
一本の幅が1メートル以上、長さが10メートルもあって、カット紙を買うよりも安く、サイズをいかようにも取れます。一本でもかなり重い。

ただとても固くぎゅうぎゅうに巻いてあり、平らに直さないと使いづらいので、まずは適当にA4サイズよりちょっと大きめにざっくり切って重ね、ボードで挟んで紙の反りを取ります。
絵を描く時はさらに絵のサイズに合わせて切るので、半端な短冊状の紙がたくさんできます。

それをペンやインクの試し描きに使っているのですが、ただぐるぐる線を引くだけでは味気ないので、そこにうっすら人の形を描いて、ずっと机上においておき、ペンの調子を整えるついでに少しずつ描き足していって一体にしています。

今はおじいさんを描いています。ディスプレイなどに立てかけてあると、なんだか妙に存在感がある。


子どもの頃、ソフトビニール製で中が空洞の女の子らしい人形が苦手でした。
友達に貸してもらって一緒に遊ぶのは楽しいのだけど、自分で持っていたくなかった。

だから綿の詰まったぬいぐるみや、合体ロボットのプラスチックの重たくて固いおもちゃをがちゃがちゃいわせて遊んでいました。

ある日の午後、一つ年上の男の子の友達と、その子の弟とその子達の家で遊んでいて、ぬいぐるみもロボットもなかったのか飽きたのか、その子が画用紙に絵を描いて切り抜いて紙人形を作って遊ぼうと言い出しました。

私はどうせいかにも子供の手作りの、出来の良くない人形になるだろうなと思ったのだけど、やってみたらすごく楽しくて夢中になりました。
なんでも自由に描いて切って無限にアイテムが作れたし、絵の拙さや紙がペラペラなのがまったく気にならず、むしろとても自由で豊かな気がした。
日が暮れていく窓の外を時折見ては、一瞬一瞬が惜しくなるくらいに楽しかった。

でも二度目の紙人形遊びはそんなに盛り上がらなかったし、その後その子は他の遊びで他の友だちを作ってまったく遊んでくれなくなったので、紙人形遊びどころかなにもかも疎遠になった。

ということを思い出しました。あの子も元気でやっているだろうか。


本年も大変お世話になりありがとうございました。
良いお年をお迎えください。

2023年9月のらくがき

このところ重めの絵を描くことが多く(重めの絵も描いていてとても楽しいのですが)、反動で明るい絵を描きたくなりました。

イラストレーション「Happy weekend」
イラストレーション「Happy weekend」

この太い線はガラスペンで引いています。
ガラスペンは見た目がとても美しいので、画材というよりは、その物を楽しむ筆記具だと思っていました。
しかし実際使ってみると線がとても引きやすく実用性を感じます。

太い線で描かれたイラストレーションにずっと憧れていたのですが、直感的に太い線が引ける画材が見つからず、いろいろと試行錯誤していました。

例えばラピッドグラフの2.0は、紙に当てる角度を一定に保つ必要があるようでうまく扱えず(廃番になったようです)、ペン先が丸いカリグラフィーペンは持ち方が悪いのか指の関節に負担がかかる気がしてしっくりきませんでした。

(仕事で太線で描く時は、ラピッドグラフ(0.1)で太線の表面を縁取って中を塗る、という、とても手間のかかる方法を取っていました。)

ある時偶然Instagramでガラスペンでの作画の動画を見て、思っていたよりもずっと流麗な線が引けることに驚きました。
さっそく取り寄せてて使ってみたところ、ガラスペンは金属のペンと違い、反動が少なく、適度に線の表面が揺れるところが気に入りました。
あとは相性のいいインクを見つけること、たくさん線を引くことでもう少しよくなりそうな手応えがあります。

イラストレーション「Happy weekend 2」
イラストレーション「Happy weekend 2」

2023年5月のらくがき

作品として取り組んでいる絵とは少し毛色が違いますが、技法や画材をテストするために描いている絵や、その場の思いつきで描く絵があります。
これまでそういった絵はSNSに投稿していたのですが、ブログにもまとめを載せることにしました。

SNSは気軽に投稿できて、リアクションも頂けるので、励みになっていましたし、プラットフォームがユーザの情報をビジネスに利用しているのもわかっていたのですが、投稿画像がAIの学習素材にされるというのを知って、SNSを気楽に利用する気分ではなくなりました。

SNSの投稿画像には「Glaze」を使うことにして、らくがきはテイストがバラバラなのでアーカイブしづらいのですが、せめて自サイトのブログにまとめておきたいと思います。
手間はかかるけど頑張ります。


オニオオハシ

マスキングインクのテストのために描きました。
私の使っている水彩紙では、広範囲に塗布すると、剥がす時に紙の表面ごとビリビリに剥げてしまうので、 マスクするギリギリまで紙とマスキングテープで多い、マスキングインクを使う範囲をなるべく少なくしておく、という方法がよさそうです。

イラストレーション「オニオオハシ」
イラストレーション「オニオオハシ」

音楽好きのペンギン

太線のテストのために描きました。
中高生の頃はタワーレコードのショッパーに憧れていました。

イラストレーション「音楽好きのペンギン」
イラストレーション「音楽好きのペンギン」

今月は2点。どちらも鳥でした。

まいまい堂個展「青い時」無事終了しました

昨日、個展「青い時」が無事に終了しました。たくさんのご来場本当にありがとうございました!
お客様が原画をご覧になって、楽しそうにして下さったり、驚いて下さったりしている様子を拝見できてとても嬉しかったです。
気にして下さった皆さんにも心より感謝申し上げます。

正直なところ、DMに「お越し下さい」「でも時節柄ご無理なさらず」と書かなければならない状況にぐったりしていたのですが、それでも来て下さるお客様がおられるなら、絶対退屈させない展示内容にしなくては!と質と量にこだわりました。

並んだ絵を見て、またご覧下さるお客様の様子を拝見して、お仕事で血眼で描いた絵も、落ち込んで描いた絵も、どれもちゃんと展示する意味があったと思いました。
たくさんサポートして下さったギャラリーの皆さま、すてきな差し入れをして下さった皆さま、本当にありがとうございました!


とても個人的な余談なのですが、大切な仕事のひとつに、宣伝美術のイラストレーションを担当させて頂いた『タージマハルの衛兵』(新国立劇場・2019)という作品があります。
インドのアゴラ、建築中のタージマハルの前に立つ二人の衛兵が主人公の二人芝居で、描く前に戯曲を拝読して、昔のインドを舞台にした戯曲にも関わらず、現在の私達が置かれている状況に通じるストーリーに強い衝撃を受けました。

実際の舞台はさらに素晴らしく、美しく、衝撃的で、忘れられない観劇体験となりました。

上演後、また2回のテレビでの放映後、ご覧になった皆さまが「追い詰められた主人公の二人にはジャングルに逃げてほしかった」とSNSでかなりたくさん書かれていたのを拝読していました。
私もそう思いましたし、同時に二人がジャングルで生き抜くことは容易ではないとも思いました。

2020年にコロナ禍が始まり、私のいた環境も大きく変わりました。
詳しいことは書きませんが、腕に痛みが出て、これはもう長年安全だと思っていた場所から逃げなくてはならない、と感じました。その時に思い浮かべていたのが『タージマハルの衛兵』でした。
逃げなかった場合の結末は、おおよそ『タージマハルの衛兵』と同じで、私は大切なもの、主に絵を描くことを失うだろうと感じました。
それでは逃げた場合は?これについては悲観的になっていたせいか参照するものが思いつきませんでした。
それでも、私はフマユーンがバーブルの手を取り逃げなかったことから教訓を得て、活かさなくてはならない。
作品に力をもらって、以前の私(一緒に観劇した友人と感想を話し合っていて、「本当に君はフマユーンだ…。」と言わしめました。)だったら絶対にしない決断をして、絵の手(というものはありませんが)を取ってジャングルへ行こうと決めました。

ジャングルに逃げた後はやっぱり大変でした。
気持ちが荒み、結局体調を崩しましたが、頂いたお仕事に取り組むことで少しずつ気持ちを立て直し、体調も徐々に良くなりました。

展示のお話しを頂いたのはその頃で、さすがに2022年の秋にもなればコロナ禍も収まっているだろうし、展示に向けての制作が心の支えになるだろうと開催を決めました。

さてご存知の通り2022年夏になってもコロナ禍は収まらず、展示の準備をしながら、何度も誰も来なかったらどうしようと心配していました。

しかし、準備のためにひさしぶりに引き出しから出した原画は、どれもモニターで見るよりもいきいきしていて、思っていたよりも自分が頑張って描いていたとわかりました。

搬入日、ヘロヘロになって準備を終え、ずらりと並んだ絵を見て、これは意外にも元気いっぱいな展示になったと驚きました。

また展示をご覧になって、喜んで下さっているお客様の様子を拝見できて、ここ数年のもやもやが少しずつ晴れていくのを感じました。

搬出後、OPAギャラリーのオーナーと奥様にあたたかい励ましとともに送り出して頂き、たくさんの贈り物と、原画を抱えて帰路につきました。
大荷物だったので座席指定の電車に席を買い、隣の席の方が親切にも大荷物を気遣って下さいました。
静かで温かい電車に揺られながら、もしかしたらこのまま描いていけるかもしれないと、一条の光が差し込んできたような気がしました。

ジャングルをいつまで、どこまで行けるかわかりませんが、ようやく少しずつ歩き方がわかってきたように思います。
また今回たくさんの心強い励ましのお言葉やご協力を頂き、一人寂しく歩いて来たと思っていたのは傲慢で、なかなかお会いできなかったとしても、お仕事でご一緒して下さる皆さまや、絵を見て下さる皆さま、家族も友人も心を寄せて下さっていたんだとわかりました。

また一歩ずつ進んでいきたいと思います。
引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

まいまい堂個展「青い時」

まいまい堂個展「青い時」DM

10月28日から11月2日まで、表参道のOPA galleryで個展「青い時」を開催します。
自主制作と仕事で制作したイラストレーションを展示します。

ここ数年にわたる「青い時」に、
あまり明るくない気分で描いた自主制作と
青い闘志を燃やす気分で描いた仕事の絵を並べます。

剣客、精霊、女性、子ども、ホラーと多岐にわたる展示になりそうですが、
どの絵も丁寧に描いたので、揃った景色を私自身見てみたいと思っています。

まだまだ大変な時期が続きそうですが、お楽しみ頂けたらとても嬉しいです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

まいまい堂個展「青い時」
2022年10月28日(金)〜11月2日(水)
11時から19時(最終日は17時まで)
在廊情報はTwitterをご確認下さい


OPA gallery
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-1-23-1F
TEL 03-5785-2646
表参道駅A2,A3出口徒歩5分

DMは今回も同期の狩野茜さんが本当にすてきに作って下さいました!
表面のタイトルロゴ周りの罫は↓「山あり谷あり」ということで、と言うので大笑いしました。

まいまい堂個展「青い時」DM 表面

Web サイトをリニューアルしました

新サイト トップページ

長年放置状態だったWebサイトを、ポートフォリオメインのサイトにリニューアルしました。

作品が見やすく、飽きない、迷わないデザインを心がけました。
作品をカテゴリに分け、タグ付けしました。

ご覧頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

まいまい堂個展「夜想曲集」

まいまい堂個展「夜想曲集」DM 11月に表参道のOPA galleryで個展「夜想曲集」を開きます。 今回の展示では、これまで描いてきたロットリングのモノクロームの線画に、カラーインクで色を加え、カラーの絵の制作に取り組みました。 夜の世界の仄暗い中に、ひっそりと息づくひとたちを描きました。 お越し頂けると幸いです。
まいまい堂個展 「夜想曲集」 2018年11月2日(金)〜7日(水) 11時から19時(最終日は17時まで) オープニングパーティー 初日 18時から20時 在廊情報はTwitterをご確認下さい
OPA gallery 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-1-23-1F TEL 03-5785-2646 表参道駅A2,A3出口徒歩5分
DMは今年のCRAWLのDMとポスターのデザインをして下さった専門学校同期の狩野茜さんが、とってもすてきに作って下さいました。嬉しいなぁ。
DMは仕事に帰りなどに配布をお願いして周っているところなのですが、現在はOPAさんを始め、 青山のタンバリンギャラリー様 原宿のギャラリー ルモンド様 桜上水のメガネコーヒー様 に置いて頂きました。 皆さま快くお引き受け下さり、また励まして頂いてとても嬉しかったです。 このコーナーは随時更新いたします。 まいまい堂個展「夜想曲集」DM 表
この展示のメインビジュアルのイラストは「始まりの終わり」というタイトルをつけました。 花の森を出て舞台に出てしまった女の子の戸惑う感じ、思春期の居心地の悪さをテーマに描きました。 始まりの終わり 9778

イタリア語のことわざ、慣用句小図鑑

グループ展CRAWL VOL.16「図鑑」に、DM原画と「イタリア語のことわざ、慣用句小図鑑 」を7点出品しました。 展示会場に掲示したキャプションと合わせてご紹介します。 Fidarsi è bene, non fidarsi è meglio. Fidarsi è bene, non fidarsi è meglio. 意味:信じるのはよいこと、信じないのはもっとよいこと
明るく陽気なイメージからは意外に思われるかもしれませんが、イタリアの人たちの冷静な物の見方を感じさせることわざだと思います。 話は少しそれますが、イタリア語にはfurbo(フルボ)という形容詞があります。辞書には「抜け目ない、ずる賢い」という意味が最初に書かれていますが、悪いだけの意味ではなく「賢い」「目端が利く」など肯定的な意味で使われることもあります。 このことわざに話を戻しますと、人でも物でも思想でも、対象を盲目的に信じるのはとても危険な事です。 しかし全てを委ねてしまえば、判断を任せる楽さや、一体感から高揚感を感じるなど、快感も多くあるのだろうと思います。 いつの間にか流されて、気づかないうちにそういう状態に陥ってしまうことはないと言い切る自信は私にはありません。 それでも、いきなり独立独歩の賢人になるのは難しいとしても、できるかぎりfurboに生きていけたらと思います。 Chi trova un amico trova un tesoro. Chi trova un amico trova un tesoro. 意味:友だちを見つけた人は宝物を見つけたのと同然
「信じるのはよいこと、信じないのはもっとよいこと」…とはいうものの、やっぱり人生それだけではありません。 あたたかくてシンプルで、とてもすてきなことわざです。 Finché c'è vita c'è speranza. Finché c’è vita c’è speranza. 意味:生きている限り、望みあり
説明は不要のことわざです。 Meglio tardi che mai. 意味:遅くともしないよりまし
Meglio poco che niente(ちょっとでもないよりまし)とあわせて、生活、制作における我がモットーであります。 この言葉から思い出す思い出話をひとつさせてください。去年休暇で行ったローマでバスと地下鉄のストライキがありました。 当日に決行を知ったので、一時間以上走ってイタリア語学校に行かなくてはならなくなってだいぶ焦りましたし、放課後に重い荷物を持って徒歩のみで市内を観光するのは大変でした(ローマは丘の街なので坂だらけなんです…)が、行使できる権利のひとつとして平然とストライキを受け入れている街を見ることができたのは、とてもよい経験でした。 ローマの先生に聞いた話によると、「8時から5時までがストライキで、その間地下鉄はすべて運休になるものの、バスは動かしたい運転手は動かしてもいい事になっていて(地下鉄と違って一人でも動かせるから)、ストライキの間でも時々来るよ」とのことでした。 3時まで粘って観光したものの、さすがに疲れて諦めてバスを待つことにしました。待つ間、あまりにこのふたつのことわざ通りのシチュエーションなので、いかにもへっぽこ道中だなぁとしみじみおかしく感じました。一時間以上待って満員のバスが来た時はとても嬉しかったです。 Essere buono come il pane Essere buono come il pane 意味:根っからの善人、心底温和な
直訳は「パンのようによい」、本当にとてもいい人を表現する時に使う慣用句です。 この言葉を知った時、「炊きたてのごはん」を連想しました。 あたたかくて、やわらかくて、豊かで、おいしい。 イタリア語のpaneには様々な意味があるので、勝手にごはんに置き換えた理解は浅薄でよくないと思うのですが、この言葉を目にするたびに、つい炊飯器を開けて湯気と香りの立つところを想像してしまい、あぁ、もうそれは本当に善い人だろうなぁと思ってしまいます。 In bocca al lupo! In bocca al lupo! 意味:幸運を祈るよ!がんばって!
これはことわざではなく、なにかに挑む人に対してかける言葉です。 直訳は「狼の口の中へ!」。言われた人は「Crepi ( il lupo ) !(くたばれ(狼)!)」と応じます。 大きな仕事の前や、イタリアにひとりで行く前などに先生がこう言って励ましてくれるので、その度に元気よく「狼くたばれ!」と答えては、不思議なやり取りだなぁと思っているのですが、どんな困難にぶち当たってもなにがなんでもやり遂げて生還してやるぜ!と気合いも入るので好きな言葉です。 Il diavolo non è così brutto come lo si dipinge. Il diavolo non è così brutto come lo si dipinge. 意味:心配事も実際は思っている程ひどくはない
直訳は「悪魔は、描かれているほど醜くはない」なので、描かれている美形の悪魔を描きました。 心配性よけのお守りとしてこのことわざを会社のデスクに貼っています。
このシリーズは線画を描いてからPhotoshopで着色しています。 DM原画はペンとカラーインクでしっかり描いたので、逆に制作時間をできるだけ短縮することを目的にしました。 私の趣味のひとつがイタリア語の学習なのですが、その学習を通して知ったおもしろいことわざや言い回しをテーマに、直訳したシチュエーションをそのまま描いたり、ことわざから思いついたシーンを絵にしたりしています。一応ラフの時点でイタリア人の先生のチェックを受けています。 思いついたのを少し捏ねただけで描いているので、打率があまり高くないというのが課題ですが、これも数を重ねて確度を上げるしかありません。 9785、9784、9783、9782、9781、9780、9779

アンダーカレント

アンダーカレント 暗闇の中、探しものをしている女の子の絵を描きました。 アンダーカレントとは『(表面には現われない) 暗流』という意味になるそうです。 underとcurrentという、よく使う単語の組み合わせで、意味を知ると奥深く、いろいろなことを想像させる言葉だなと思ってタイトルにしました。 初期のラフを見ると「この暗闘の辻褄がそう単純に合うとは思えない」と書いてあって、だいぶこじらせているなぁと思いました。 アンダーカレント-1 アンダーカレント-2 アンダーカレント-3 以下どうでもいい設定ですが、(テキスト選択で読めます) 主人公は探しものをして、地下の水に沈んだ図書館をさまよっています。行き止まりにはピンクの壁に「HAPPY END?」と書いてあり、主人公は怒るんだと思います。 青い鳥の羽が何枚か落ちていて、幸せ(の青い鳥)がそばにあることを暗示していますが、羽の持ち主は怪物のような大きな影を落としています。鳥かごに入りそうには思えません。 9786

CRAWL VOL.16 「図鑑」のメインビジュアルを担当しました

DM CRAWL VOL.16 「図鑑」イラストレーション 毎年参加しているグループ展CRAWLの今年のメインビジュアルを担当しました。テーマは「図鑑」です。 かっこいいデザインは同期の狩野茜さんにお願いしました! DM CRAWL VOL.16 「図鑑」 CRAWLのメインビジュアルは明るいものが多いのですが、「図鑑」という伝統的なイラストレーションのメディアがテーマということもあり、博物趣味を暴走させた仄暗い書斎を舞台にしました。 図鑑はハンディ版以外は、大抵大きく、重く、室内で閲覧されること、室内にありながら未知の世界を見せてくれる、精密な図版入りの本であることを念頭に置き、素晴らしい図鑑を眺めるならどんな舞台がワクワクするか、眺めて空想をたくましくするのはどんな人か、その人に絵を見る人が共感できるかをアイデアの中心にしました。 たくさんの物が置かれながらも、ごちゃごちゃし過ぎないように、左右対称の構図、整理された配色を心がけました。 CRAWL VOL.16 「図鑑」 会期:2018年8月15日(水)~19日(日) 会場:目黒区民ギャラリー CRAWL » CRAWL VOL.16 「図鑑」 9787

熱いストーブ

熱いストーブ 目つきのよくないうさぎの絵を描きました。 最初は極上のおやつタイムにも、どうしょうもなく嫌なことを思い出してしまう、という場面(だったのですが、塗っているうちにそういう表情はなくなってしまいました)。 そういう背景があったので、作業のBGVにしているアドベンチャー・タイムの中で、キャロルという女の子が「自分の悩みを思い出すと熱いストーブに触ったみたいになる」と言っていたのを聞き、どこでもみんな同じだなと感じたので、この絵のことは「熱いストーブ」と呼んでいます。 ストーブはどこにも描いていないので、もっといいタイトルが思いついたら変えようと思っています。 それから、長くモノクロで描いてきましたが、次の展示まではカラーに取り組みます。 塗り方は10年以上前に編み出したもの、ベースはこれまでと同じ線で描いています。 9788

「装画の仕事」展に参加しています

gallery DAZZLEで開催される「装画の仕事」展に参加しております。 私は「鬼の家」の装画を出品しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
DM-装画の仕事展 イラストレーターの装画の仕事、39冊の装画と書籍を展示します。 会期:2018年4月03日(火)~ 13日(金)(月曜休廊) 時間:12:00~19:00(最終日17:00まで) オープニングパーティ:4月3日(火)18:00~20:00 会場:gallery DAZZLE 詳細:「装画の仕事」展 gallery DAZZLE

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